昔の補聴器は耳元でピーピー音が鳴ることがありました。
装用している本人はもちろん、周囲の方にとっても大変煩わしい音です。

最近、多くの補聴器は「逆位相」という仕組みを取り入れ、ピーピー音が漏れないよう工夫されています。

 【逆位相の仕組み】

逆位相とは音の波に正反対の波を重ねて音を消す仕組みです。
これは、音が「空気の振動」で伝わっていることと深く関係しています。

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上図のように赤線の音を消したい場合、その正反対の青線の音を重ね合わせます。
すると、結果として両方の音が聞こえなくなるわけです。
つまり、一定の振動に別の振動を加えて動きを止めている訳ですね。

ただし、若干の問題も残されています。
同じピー音でも「補聴器から漏れた音」なのか、外部の音なのかをまだ完全に区別することができないのです。
例えば、「フルートの高い音」「車がバックするときの警告音」「お仏壇の鈴の音」など補聴器のピーピー音に似た音は色々あります。逆位相の仕組みは場合によってはこれらの音も間違って小さくしようとしてしまう事があります。
補聴器の逆位相も年々進化しており、新しいタイプではこのような間違いも極めて少なくなっています。

 【補聴器以外での応用】

逆位相を利用したもっと大がかりな消音システムもあります。
→ 騒音対策には騒音が効く?竹中工務店などが開発した“あっと驚く”技術とは

工事現場などで出る騒音に逆位相の音を重ねて消そうというのです。
当然、逆位相の音を出すスピーカは住宅地側に向けてあります。

普通、騒音を防ぐには「壁」を作って音を遮断するところです。
とおろが、スピーカーで音を出すことによって騒音を抑えるというのは、理屈では分かっても不思議な感じがします。
他にも自動車レースなどで使うヘッドホンなどでも同じような仕組みで雑音を抑えているそうです。

こうしたシステムがもっと進化すれば家庭用の防音・遮音システムなど色々と応用されるかもしれませんね。

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