名古屋で公演中の鹿鳴館(→Link)を観てきました。
三島由紀夫が紡ぎ出す言葉の力と、それを引き出す劇団四季の俳優陣の力に圧倒されました。
演目「鹿鳴館」はミュージカルではなく純粋な演劇です。
時代が大きく変わる明治を舞台に、鹿鳴館で起きる一つの事件。
特徴的なのはやはり三島由紀夫が書く日本語の力でしょうか。
三島由紀夫の作品は普段文学とは縁遠い私にとっては理解の難しい文字列です。特に印刷された文字で読むと回りくどい表現理解に頭を取られ、肝心の内容理解を妨げます。
ですが、この鹿鳴館の舞台は圧巻でした。
壮麗な衣装に身を包んだ俳優陣が朗々と語る台詞の数々がストレートに頭の中に響いてくるのです。
難解なはずの言い回しや複雑な比喩表現にドンドンのめり込んでしまうのですから。
歌と踊りのない劇団四季は初めてでしたが、こういった作品の方が劇団員の表現力が遺憾なく発揮されるように感じました。
50年前の作品とあってかストーリーの大筋は先の読める展開です。
ただ、幾重にも張り巡らされた台詞の行間にも潜む思いや、心情を言葉でやり取りする面白さは他で体験したことのない展開です。
もっと言えば、この作品は十分な時代背景の理解と日本語に対する造詣の深さがあれば更に楽しめる演目でしょう。

ハリウッド的な万人が理解できるスッキリ感とは異なり、フランス映画のような後を引く面白さある鹿鳴館
欺瞞や謀略に満ちあふれた表現こそが最も日本語にマッチした演出だと思わせる新しい体験ができる舞台でした。
  岐阜店