ミネソタ州にあるスターキー本社を訪問しました。

オフィス
2000人以上のスタッフが働く本社建物は、大半を工場が占めているにもかかわらず、中は広々とした清潔感溢れるオフィスといった雰囲気です。隅々まで高度にIT化されたワークフローが構築されており、高い生産性を発揮しているようでした。

特にオデッサと呼ばれるオーダーメイド補聴器の型(シェル)を自動で作り上げるシステムの導入により、受注から生産・アフターケアに至るプロセスが大幅に変化しています。

システムは次のようなプロセスで稼働します。

スキャン
1) 販売店から送られてきたお客様の耳型をスキャナーでコンピュータ(PC)に読み込み

シェル整形
2) PCで個々のユーザにあわせた補聴器の型をデザイン

シェル加工途中
3) 機械がその指示に従いシェルを形成

オデッサ
シェルを形成する機械が10台以上設置されており、一日に800台~2000台の補聴器を製産しているそうです。

シェルの型をPCで管理することで、シェルに対する細かな注文にも柔軟に対応できるようになっています。
例えば、シェルの外観や耳への入り具合、音口の向きや空気穴の大きさなど様々な確認項目があります。それを、実際に製作する製造責任者だけでなく、販売店からの電話問い合わせを受けるサービスの人間まで同じ情報を共有して改良の可能性を検討できるようになっています。

ハイブリッド組立
本社には補聴器の部品工場もあります。
電池ケースなどの細かな部品から心臓部である集積回路の組み立てまで、あらゆる部品を生産しています。

金型
さらに、その設計から金型の製作までをも同工場内で行えるようになっていました。

スターキー社長によるセミナーでは、ICチップの開発状況から充電池の可能性まで興味深い技術的講演が行われました。
デスクトップスキャナーを使い、販売店で耳型をデータ化してスターキーに発注するシステムも、すでに一部で始まっているという報告もありました。これにより、納期とコストの削減が期待できそうです。

IC
補聴器のアンプから細かなパーツまで自社生産する体制が整うスターキー社だからこそ、バランスの取れた高いパフォーマンスの商品を提供できるのだと納得できました。

難聴者の豊かな聴こえを支え続けるメーカーとして、スターキー社の今後にも注目していきたいと思います。